「品質保証部の求人か。面白そうだ。」
リクナビNEXTとかでも、「品質保証」と検索すればいろいろ出てきます。会社により業務内容が全然違うので、経験者の定義が適当だったりする。
求人に応募するにあたり、考えておきたいことを語ってみる。
※私自身の経験からの話しなので、参考程度に。
1、品管か品証か
「品質保証/品質管理」とまとめられていることが多い。
大企業なら別々の部署ですが、中小では一つの部署として、幅広く活動します。何の仕事をやらされるかわからない不安がある。
「製品の検査」であれば品質管理の仕事。実際の検査をすることもありますが、どちらかというと「検査仕様書の作成」や「外注先の監査」などです。検査の責任者としての人材になる。
「海外出張あり」と記載ある場合、ほぼ海外工場への打ち合わせや監査となり、中国などアジア圏への出張となる。最近の品質管理課の仕事は海外出張が多いので、いろいろと覚悟を。
今、求人をパッと見た感じ、品質管理の仕事が多かった。開発側となる品質保証の仕事の求人は少ない。
製品の改良や、お客様の声を反映させるような品質保証の仕事がしたい場合、「検査」など品管の仕事は避けよう。
「新商品の評価」や「クレーム対応」「法規対応」が品証の仕事となる。
2、経験者優遇とは
管理や設計の知識が無い人は不要。
検査にしろ評価にしろ、専門知識が必要です。図面も読めないような人は使い物にならない。転職(中途採用)ではやはり、即戦力が求められます。
したがって、開発や品質管理の経験者が求められる。私の会社も中途採用はほぼ開発経験者でした。
品証や品管は「開発と会話ができる」というのが重要になる。
設計を理解できないと、仕事にならない職種。
採用側としては、以前の会社で得た専門知識が欲しい。ライバル会社や、関連会社の開発や品証は魅力。「良い人が来たらいいな」と求人する場合、ほぼこういう人材を求めているだろう。
未経験者を採用するくらいなら、少しでも知識がある非正規社員を正社員にする方がマシ。
未経験者を採用するようなところは、ただの検査作業員など、単純作業系だと思う。
3、責任の重さを考える
品管・品証はあらゆる責任を引き受ける部署。
仕様書の作成、評価の実施、外注先の監査、あらゆるものを「承認」するので、何かあると責任を問われる。
開発のミスは品証の責任、製造のミスは品管の責任。責任者としてクレーム対応し、謝罪をする。
求人情報の仕事内容から、「何の責任を持つのか?」と考えたい。
基本的にクレームは全て引き受けます。客先から怒鳴られるのは当たり前。
まずは営業にクレームがいくものですが、抑えきれないものは品証の出番。会社代表として責任ある対応をしなくてはなりません。
不良品を流すと、社長から「何を管理しているんだ!?」と叱られる。外注先にクレームするも、「仕様書の通りだ。返品は認めない。」と。仕様書の不備で損害がうん千万円という世界。
どんな仕事内容であれ、こういった対応はしなくてはなりません。そのため、次のことは調べておきたい。
・この会社の取引先はどこだ
・外注先は国内・海外どちらが主流か
・グループ会社はどこにあるか
これらで、出張のイメージがなんとなくつくはずです。
品管なら監査で回り、品証なら謝罪で回る。海外への販売もあるなら、海外転勤も当たり前。
これがあるので、「女性は不利」になる可能性が高い。
会社代表の責任者が女性というのは、まだまだ悪い目で見られるものです。出張や急な残業も多く、どうしても男が中心となる職場。こういう仕事をしないと昇進しないので、できないなら止めた方がいいと思います。
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求人情報ではかっこいいこと書いていますが、品証・品管というのは泥臭い仕事。この3つの点を意識し、慎重な転職を。
なお、大企業なら品管は少し楽。外注メーカーからVIP待遇、社長が対応してくるという。見限って取引停止したら倒産。普通にある話し。