品質保証部の醍醐味と言えば!クレーム対応です。
お客様のご自宅に訪問したり、取引先に出向き頭を下げてお茶を飲んだり。ここを楽しめたらもう、真の品質保証部メンバー。
リアル感を出すために、自分の初クレーム対応の話しを書こう。
初めてのクレーム現場対応
普通、先輩が付いてくるだろ!?なんで初めてで自分一人なんだ!?
上司「残念、予算が無い。一人で頑張れ。」
そんな甘い考えは通用しない荒くれ者の職場。普通に一人で戦場へ突撃させられます。
この現場、言っちゃいけない言葉ですが、「クレーマー」です。過去に「文書で説明しろ!」とご立腹になり、
それがまた再発
自分が現場にGO
どれだけ悲惨な出張か、誰もが憐れむだろう。こういうのは新人の仕事だ。
クレーム対応の目的
故障としては、取っ手の破損。これが3回目。
これ、品質保証の仕事をしてると誰もが思うだろう。「開発の尻拭いをなんで俺が…」と。そうです。それが品質保証の仕事。だから誰もやりたがらない。
で、取っ手の破損の原因は薬品劣化(多分洗剤)です。樹脂(プラスチック)なので、薬品でさっくさくです。問題は、「なぜこんなところに薬品が付着?」というところ。
使い方に問題がある現場なので、そこを特定してくるのが今回の出張。ついでにお客様のお話しを拝聴する仕事です。
なお、破損の原因は破断面を見ればわかります。力なのか、劣化なのか、方向は、繰り返し応力か、と。この証拠がある限り、お客様の言い分に勝ち目はない。品質保証部の武器です。
この武器を頼りに、現場へ向かう。
現場にGO
まずは普通に挨拶をして、問題の商品を見せてもらう。ここまでは何のお怒りもなく、スムーズにできた。旦那様、奥様も同伴で、ヒアリングもバッチリ。
自分「この部分、どうやって洗っていますか?」
奥様「こうして分解して、洗剤をシュッっと。」
それです奥さん
よし!もう自分の目的は達成した。
洗剤の種類特定、再発防止、完璧な原因説明、バッチリだ。素晴らしい成果となった。
一応、洗剤に強い材質にしたものに交換したので、もう再発することはないだろう。こういう特殊部品を作るのも仕事。
で、商品を見終わった後。ここからです。
そこに座りなさい
旦那様の説教タイムが始まりです。
正座をさせられて、今回の原因について追及される。旦那様は大企業の開発出身。定年後という典型的な(略
さすがに追及が厳しいのですが、しっかり返答できる事実があるので、納得いただく。ただ、一つ苦しい点があった。
旦那様「なぜ、前回の報告は原因不明なんだ?おかしいだろ?」
これはもう、自分からしたら「前任者のレベルが低すぎ」としか言いようがない。明らかに薬品劣化なのに、なんで不明、、くそ、、馬鹿、、
この思いがあったものだから、失言をしてしまう。
自分「前回は担当者が違ったもので・・・」
あぁ、言っちゃいけない。これはダメ。自分でも「まずい」と思った。案の定、ツッコミが入る。
旦那様「担当者が違うってねぇ。企業としてうんぬん・・」
ものすごい説教モードに入ってしまった。今ならこんなミスはしないが、新人、あるある。
やばいなぁと思っていたら、意外な結末で終わることになる。
奥様「もう、若い人が困ってるじゃない!止めなさい!」
これで旦那様は話さなくなり、即終了となった。奥様、強すぎです。
こうして事なきを得て、出張の目的達成である。
原因究明完了
現場に出向き、確実に原因究明するのも品質保証の仕事。
今回は洗剤が原因でしたが、十分ありえる使い方です。なのに、耐薬品性でもなく、薬品に弱い樹脂を使うのは問題。ここはしっかり対策し、今後の新商品は完璧に改善できました。
これにて品質向上にて利益アップ。うん、いい仕事をした。
やっぱり、怒られるのが辛い仕事です。
苦手な人はストレスで死んでしまうだろう。でも、武器さえしっかり持っていれば、対応はできる。
ここを楽しんでかつ、成果を出さないと昇進はしない。自分の品質保証部では、法規系以外の人はほぼ全員が現場対応しています。誰もがクレーム現場に行く仕事、それが品証。
この出張がまた楽しいんですよ
慣れたら現場対応なんて苦にならない。出張で観光したり、美味しいもの食べたり。
飛行機までの時間にパチンコしたり。
品証の仕事っていいなぁと、自分は幸せでした。
次回は地味な仕事の話しをしよう。