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第13話:「品質保証部は言うだけ」と開発部は不満に思っている

投稿日:2018年08月20日

品質保証の仕事 第13話

「品質保証部は言うだけ」

とよく言われる。確かに、開発部や製造部にお願いばかりをする。「対策よろしくね!」と。

なんせ、品質保証部は情報提供くらいしかできない。故障の原因解明はできるが、部品改良は無理。ひたすらお願いするしかないのだ。

ここに開発部は不満たらたらになる。

優先順位を決めてくれ

品証がお願いばかりしすぎて、処理しきれない。

「不具合発生→対策」という流れになるので、設計ミスがあればあるほどに開発に仕事が溜まっていく。品証としては開発に渡せばほぼ仕事完了。

とにかく開発側に仕事を渡し、自分の仕事を終わらせる。

品証としても次から次へと仕事が発生するので、一つの案件にこだわっているわけにはいかない。調査結果の報告もしないといけないので、早く渡す。

だから、誰もが自分の仕事を優先させたがる。

取引先がご立腹です!

経済産業省への報告が!

声が大きい人が「早くやってくれ!」と言う。このあたりのルールが特になく、個人プレーな感じだった。課長が言った案件が優先、と。そして、ある程度は開発の判断。

数が少ないとそれでも問題ありませんでしたが、ある時に急増して限界になる。

開発「優先順位を決めてくれ」

ここで品証内でも紛争勃発です。

何を優先するのか?

設計ミスの改良の場合、どの製品からやるべきか?

・新商品の不具合
・多発不具合
・被害を与える不具合
・取引先ご立腹不具合

なかなか悩ましい問題ですが、ある程度は決まります。

火傷や怪我などに繋がる不具合は間違いなく最優先。怪我させる設計ミスなど論外。リコールダメ、絶対。

となると、その次です。

会社により判断が違うと思いますが、重要なのは新商品。新商品で悪い評判が付くと、大きな売り上げ減になる。会社の存続に関わるので、最優先で対策をしました。

次に「取引先ご立腹不具合」の優先順位が高かった。対応に落胆させると今後の採用に関わってくる。大きな売り上げ減に響くので重要です。

この3つを優先させて、それからようやく「普通の不具合」へ着手です。

「多発不具合」でも、出荷数の問題がある。いくら多発していても、生産中止品の優先度は低い。「今後の出荷量」と「迷惑具合」が判断材料になる

ここの判断は品証の役割。個人が判断するのではなく、会議でしっかり決めます。定期的に新規不具合が発生するので、定期的な会議が必要になる。

ただのアピール会場になるのは想像につくだろう。

しかし、上手くいかない

開発の不満が爆発してくる。

優先順位を付けても、当然ながら仕事はどんどんと溜まる。処理してもしても追いつかず、ブラック企業並の残業。品証も品証で現場対応に追われて残業。

不具合が多発した時、品証・開発は地獄である。出張に行って帰ってこない人もいる。そんなところなので、開発は品証に要望してくる。

開発「原因究明までやってくれ」

これは自分としてもそう思う。自分は原因究明までしっかりやる派でしたが、実際にはそこまでやる義務はない。だから、ほとんどの人は「不具合だよ。よろしくね。」と丸投げ。

品証としても余裕が無く、開発も余裕が無い。こうなると正論のぶつかり合いです。

品証「設計者がやるべきだろ!」

開発「早く対策するためには品証も手伝うべき」

もう愚痴の言い合い。人間、余裕が無いとこうなります。

傍から見たら「ルール決めろよ…」と思ってしまうだろうが、この仕事は応用が大事なので、あまり決まりを作らない。状況に合わせて最適な行動を考えています。

こうしてやっぱり、

「品証は言うだけ」

となって落ち着くのであった。

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