「30万回の耐久試験を実施!」
というCMがよく流れていますが、
品質保証部から見たら笑えるような内容。
あんなので30万回もって自信あるとか(笑)と。
このような耐久試験などを「評価」と言います。
真の評価を語ろう。
実使用に沿った評価を
ロボットでの評価は実際の使用とは違う。
ソファーに座るにしても、
鉄球を落とす応力と、人間が座る応力は全然違います。
まっすぐ同じ場所に同じ力で座るわけがない。
だから、こんなロボット耐久評価は気休めです。
ほぼ意味がないと考えて良い。
とてもじゃないが戦える材料にならない。
機械動作での摩擦などはロボットで良いのですが、
実際に人間が動かす部分は人間での耐久が基本。
ローテーションを組んで総力で評価を行います。
このためだけに派遣社員を雇うことも。
大企業はここが強い。
この莫大な資金力が品質向上に繋がる。
そのため、品証は常に評価をしています。
自主的にやることもあるので、結構忙しい。
ロボットでは発生しなかった故障が普通に出るので止められない。
開発「想定外でした」
というのは毎回ある。
大企業の開発と言えど、こんなものです。
当然ながら問題ない設計にしているのですが、
しょせんは人間。ミスをするものです。
開発も完璧という自信は無い。
ただ、やはり時間がかかるので、
「なぜロボットで見つけられなかったのか?」と追求する。
こうして知見を増やしていき、レベルアップしていきます。
30万回くらい人間でやれる
実際の環境を
家庭の環境と工場の環境は違う
気温も湿度も気圧も違う。
地域でも違い、家庭でも違う。
製品として最悪の環境にて評価をやるのが基本です。
冬場の30万回と夏場の30万回は違う。
だから、夏が最悪なら夏を再現する。
ストーブ・加湿器で夏場の室温を再現。
そこでひたすらに耐久評価…死ねる。
水を使う機械なら、水温、水圧の調整もしっかりと。
水温・水圧調節機など、大がかりな装置が要ります。
ここも大企業ならでは。中小企業は厳しいだろう。
こうして実際の使用と同じ状況で、回数を重ねる評価を行う。
設計が完璧ならこんなことする必要はないのですが、
完璧な設計などありえない。
実使用での評価も合わせて設計を信用する。
これが、「品質保証」です。
~
あんな鉄球を落とす評価などありえない。
ロボット評価としてやる分には良いが、結果は参考レベル。
仮に壊れたとしても「本当に改良するの?」と議論になる。
ちゃんと壊れた時のことまで考えないといけません。
だから、過剰な評価は無意味。
ロボット評価だけで数十項目。
人間での評価も数項目。
大手メーカーならやっているはずです。
ここに日本メーカーの高コストがある。
品質に時間と費用をかけています。
もちろん、知見が付いたら削減していく。
確証がないなら耐久評価。
しかし、それでも不具合が発生するという。
なぜ?なぜだ?それが品証の仕事です。
同じものばかり作ってたら故障なんてほぼ無くなりますが、
新商品(新技術)はどうしても生まないといけない。
未知の領域を開拓する時、品証の仕事は地獄です…
そら、既存技術しか使わない海外メーカーは安くなる。