品質保証部は最初は勉強の日々。
全くのド素人を育てるのは時間がかかります。
そのため、製造部や開発部からの異動が多い。
私はほぼド素人からの品証だったので苦労しました…
そこで、苦労したことを語る。
1、図面を見ろ
先輩「図面見たらわかるだろ」
基本的に図面がわかること前提の話しになり、
「図面を見れないなどありえない」と叱られる。
営業などは「商品図」は見るものの、図面は見ません。
誰からも教えてもらえないので、一人で覚える日々。
分解して図面と照合したり、記号の意味を実物で確認したり、
図面の本を買って自宅で勉強という、図面漬け。
品証の仕事をするなら、まずは図面の勉強をしよう。
2、構造を理解しろ
先輩「原因となる可能性がある箇所を全部言ってみろ」
例えば、水漏れ故障の場合、原因はいろいろあります。
パッキン、当たり面、本体割れ、結露、など。
原因解析するには、これらを理解していないとできない。
最初に原因を推測して、慎重に確認していく。
下手に分解すると証拠が消えるので、この知識は重要です。
再現無しの場合も、ここがわからないと自信持って回答できない。
ほとんどの新人は理解していない。
当然ではありますが、当然で済まさないようにしよう。
3、しっかり確認しろ
先輩「ちゃんと顕微鏡で見たか?寸法測ったか?」
目視確認は信用されないので、顕微鏡で見ます。
ルーペはダメです。顕微鏡です。
アナログな顕微鏡から、デジタルなマイクロスコープまで、豊富にラインナップ。
これ、若い時は顕微鏡無しでもなんとかなります。
しかし、30代になるともう、目視では無理。
目が劣化して焦点距離が遠すぎる。
微細な傷から原因を推測したり、
破面を見て劣化の有無や割れの方向を特定したりと、
原因解析の基礎となる部分です。
「なんとなく」ではダメ。
機械を頼っての確実な確認が必要です。
元素分析、電子顕微鏡など、技術部に依頼することもある。
あれ、樹脂の繊維一本一本がわかるので、凄い。
4、規格を確認しろ
先輩「規格の通り試験したか?」
国としての規格、会社としての規格、製品としての規格があります。
それぞれをクリアして出荷しているので、
故障品の解析や評価も規格に沿ってやらないといけない。
これがまた、製品により特例で違ったりするので難しい。
例えば、「耐荷重」は製品により違います。
商品に表示されている耐荷重は「安全な数値」なので、実際にはもっといける。
評価をする時は、当然ながら設計としての数値でやります。
ここで問題なのが、途中で数値が変わったりと変更履歴が多数あること。
最初の数値と違っていたりするので、都度確認が必須。
今見ないと、叱られます。
製品の規格、共通規格、見るところが多く面倒。
確認する癖を付けよう。
5、担当に見せろ
先輩「〇〇さんに見せたか?」
注視している不具合などの場合、
品証や開発の担当者に見せないといけません。
ここで勝手に処理すると、とても叱られる。
「そんなこと聞いてない…」
というのは通用しない世界。
教えてもらっていなくても見せないといけないのだ。
実際、口頭での約束なので記録は何も無かったりする。
自分自身もベテランになってくると、口頭で言っていた。
「〇〇君、来たよ~」と見せてくれるのが当たり前に。
こういうのが悪い文化なのだろうなと、今に思う。
珍しい不具合品の場合、
とりあえず先輩に聞いておくのが無難です。
品証一人一人の担当製品、開発・技術の担当者、
これはしっかり覚えてないと、いつか叱られることになる。
新人は「一人一人の仕事」を早く覚えたい。
まとめ
失敗が許されないので、最初から全力。
覚えることが多すぎです。
品質保証部の仕事はイレギュラーが多いので、
都度適切な対応をしないといけない。
幅広い知識が必要になり、
少しでもミスをすると叱られるという仕事。
だから、最初は辛いと思います。
そんな仕事なので、品証に来たのが失敗と思わず、
最初はとにかく耐えてほしい。
自分としても後輩を育てる時、
だいたい同じことを言うという。